自然素材の家のメリットや魅力とは?素材や検討するときの注意点も紹介2025.02.19#コラム

マイホームの建築を検討している方の中には、自然素材の家が気になっている方も多いのではないでしょうか。
自然素材の家は、化学物質や接着剤を使わずに自然由来の素材を中心に建築されます。自然が好きな方や健康に配慮した生活を重視したい方にとっては、この上ない最適な住宅となるでしょう。
本記事では自然素材の家を構成する材料や、自然素材の家のメリットデメリット、向いている人などを紹介しています。マイホーム建築を検討している方は、ぜひ記事内容をご確認ください。
自然素材の家とは?普通の家との違い
自然素材の家とは、できるだけ化学物質を使わずに、木や石、土といった天然素材をふんだんに使って建てられた住宅のことを言います。
自然素材は、シックハウス症候群の原因となる化学物質の放出が少ないため、住む人の体に優しいのが特徴です。
壁材に調湿効果のある珪藻土や漆喰などが使われることが多いです。
珪藻土や漆喰などの素材は、室内の湿度を快適に保ち、カビやダニの発生を抑制する効果も期待できます。
床材には、無垢材がよく用いられます。無垢材は、合板フローリングと比べて温かみがあり、足触りも良く、リラックス効果も期待できる素材です。
自然素材の家は建築費用が高くなりますが、健康面や環境面への配慮から、近年人気が高まっています。自然素材の家は、家族みんなが安心して暮らせる、心地よい空間を提供してくれるでしょう。
普通の家との違い
自然素材をあまり使わない、一般的な住宅との違いを一覧表にまとめてみました。
自然素材の家 | 一般的な家 | |
素材 | 木材、石、土、漆喰、珪藻土など、化学物質をほとんど含まない天然素材 | 合板、集成材、ビニールクロス、化学塗料など、工業的に加工された素材が中心 |
健康面への影響 | 化学物質の放出量が少なく、シックハウス症候群のリスクを軽減し、アレルギー体質の人や敏感肌の人にも優しい | 化学物質が放出される可能性がある。過去にはシックハウス症候群が社会問題になったこともある |
快適性 | 木材や土などの自然素材は調湿効果があり、室内の湿度を快適に保つ。素材次第では、断熱性や遮音性にも優れている場合もある | ハイテク素材によって温度調整や湿度調整を行う。素材次第では温湿調整が難しいケースもある |
デザイン | 木材や土壁など、素材の特徴と質感を活かした温かみのあるデザインが採用される | デザインの自由度が高く、様々なスタイルに対応できる |
価格 | 自然素材は加工コストと材料費が高くなるため、建築費用は割高になる | 工業製品として建築できるため、比較的安価な家を建てることもできる |
メンテナンス | 素材次第では定期的なメンテナンスが必要 | 頻繁なメンテナンスがいらない家を建てることもできる |
自然素材の家によく使用される素材の種類や特徴
自然素材の家に使われる主な素材を4つ紹介します。
- 珪藻土
- 漆喰
- 無垢材
- 天然リノリウム
珪藻土
珪藻土とは、植物性プランクトンである珪藻の殻が、長い年月をかけて海底や湖底に堆積し化石化したもののことをいいます。
多孔質構造という微細な穴を無数に持つため、優れた吸湿性・放湿性を持つのが特徴です。吸湿性・放湿性に優れている特性を活かして、壁材やバスマット、コースターなど様々な用途で活用されています。
珪藻土は、湿度調整機能に加えて、消臭効果や断熱効果も期待できます。
一方、デメリットは、衝撃に弱く割れやすいことや、吸水性が高いため汚れが染み込みやすい点です。
自然素材の家の壁や床材、屋根の素材には珪藻土がよく使用されています。
漆喰
漆喰とは、主に建物の壁や天井に使用される日本古来の塗り壁材です。主な成分は消石灰(水酸化カルシウム)で、消石灰に糊やスサを加えて作られます。
かつては家を建てる時の素材として活用されていましたが、住宅のハイテク化と共に使われなくなりました。しかし、近年になると自然素材への関心の高まりによって、再度注目を集め始めています。
漆喰の主な特徴は次のとおりです。
- 調湿性
- 消臭効果
- 抗菌性
- 防火性
- 耐久性
基本的なポテンシャルが高い素材なので、自然素材の住宅の壁材として随所に利用されています。職人の技術次第で色々な模様や質感に仕上げることができるため、意匠性の高さも見逃せないポイントです。
無垢材
無垢材は、丸太から切り出した木材を接着剤などで貼り合わせることなく、そのままの状態で使用する木材のことを言います。
無垢材は木がもつ質感や木目、香りをそのまま楽しむことができる上に、室内の湿度を調整する調湿作用や、優れた断熱性も兼ね備えています。
建築に利用される主な無垢材は、スギやヒノキなどの針葉樹、ナラやブナなどの広葉樹です。針葉樹は柔らかく加工しやすい特徴があり、広葉樹は硬く耐久性が高いのが特徴です。
無垢材は、化学物質の放出量が少なく健康面で安心できることや、再生可能な資源であり環境負荷が低いことがメリットとして挙げられます。
一方で、集成材よりも高価であることや、湿度や温度変化によって反りや割れが生じる可能性がある点はデメリットです。
無垢材は、自然な風合いや機能性から、床材や壁材、天井材、家具など、様々な用途で住宅や店舗の内装に広く用いられています。
天然リノリウム
天然リノリウムは、亜麻仁油、石灰岩、木粉、松脂、コルク粉などの天然素材を主原料とした、環境に優しい床材です。これらの材料を混ぜ合わせて、ジュート麻の布に塗布して乾燥させることで作られます。
リノリウムは、19世紀後半にイギリスで発明され、その優れた耐久性や抗菌性、そして環境への配慮から、公共施設や住宅など様々な場所で利用されてきました。近年では、その自然な風合いや豊富なカラーバリエーションが再び注目を浴びています。
天然リノリウムの主な特徴は次のとおりです。
- 環境に優しい
- 耐久性が高い
- 抗菌性
- 調湿性
- 豊富なカラーバリエーション
主に床材として利用されることが多く、耐久性が高く燃えにくい特性を備えているため、自然素材の家を建てる時に重宝されています。
自然素材の家のメリット
自然素材の家の強みやメリットを3つのポイントにて具体的に紹介します。
- 耐火性と耐久性に強みがある
- 機能性が良い
- 調湿効果と断熱性によって夏は涼しく冬は温かい
耐火性と耐久性に強みがある
漆喰や珪藻土などを壁材として使用している自然素材の家は、耐火性に優れています。仮に隣の土地が火事になった場合でも、延焼しにくい点が強みです。
自然素材の家に使われている無垢材は、接着剤が使用されていないため、燃えてしまった場合でも有害な煙を出しません。見た感じ自然素材の家はよく燃えそうに思えますが、実際には火事には強いです。
耐久性の高さも注目ポイントです。例えば床に使われている合板フローリングは10年〜20年が実質的な耐用年数ですが、無垢材なら30年以上使用に耐えうることもよくあります。無垢材を使った家は、初期費用こそ高いですが、長い目で見ると交換と修繕費用が抑えられるため、高コスパ住宅と言っても良いのではないでしょうか。
機能性が良い
自然素材の家は調湿効果と消臭効果が高いため、加湿器や除湿機を使って空調する必要がありません。珪藻土の細かい穴は色々な匂いを吸収してくれるため、ペットがいる家でも匂いの心配がなくなります。独自の抗菌効果も持ち合わせているため、小さな子供がいる過程でも安心です。
無垢材は木材本体が木の香りを放つため、家の中にいながらにして森林浴を楽しめるメリットもあります。森林浴気分に浸りつつストレスまで解消できる優れものです。
調湿効果と断熱性によって夏は涼しく冬は温かい
自然素材そのものの調湿効果によって、湿度の高い夏は湿気を吸収し、湿度の低い冬になると湿気を放ってくれます。適度な断熱性と調湿効果によって年中快適な住環境を維持できるため、光熱費の抑制にも効果的です。
夏はカラッとした湿度を維持できるため、日本特有のジメジメした暑さに悩まされることは減るでしょう。
自然素材の家のデメリット
自然素材の家を検討するときの注意点を3つ紹介します。
- 一般的な住宅に比べると費用が割高
- 劣化によるひび割れや傷が目立つ
- 定期的なメンテナンスは必須
一般的な住宅に比べると費用が割高
自然素材は工業製品として大量生産することに適していないため、それぞれの素材が割高です。自然素材中心の家づくりを考えると、一般的な住宅よりも2割から3割は高くなると考えておいた方が良いでしょう。
納期に時間がかかる素材が多いため、一般の住宅に比べると家の完成から引っ越しまである程度の期間がかかります。
劣化によるひび割れや傷が目立つ
漆喰や珪藻土は素材の特性上、ひび割れしやすいです。自然素材ならではの変化が生じることは知っておいた方が良いでしょう。また、加工時の環境や下地の状態次第では、仕上がりに差が出てきます。
また、無垢材は合板よりも表面の耐久性が低いため、傷つきやすく修復も難しい素材です。経年劣化も無垢材の魅力の一つとして受け入れることができなければ、後悔してしまうかもしれません。
定期的なメンテナンスは必須
自然素材の家は、建築した後のメンテナンスが重要です。季節によって素材の形が変形するため、長い間住んでいると木材のひび割れや反りなどが発生することが想定されます。
自然素材の家の維持と管理のポイントは、直射日光を避けつつ適切な清掃をこまめに行うことです。定期的な換気と素材の保護処理も欠かせません。
自然素材の家が向いている人、向いていない人
自然素材の家はどのような人に向いているのでしょうか。向いていない人と合わせて、それぞれの詳細を説明します。
向いている人
自然素材の家が向いている人は、自然が好きな人です。自然とともに生活したいと考えている人にとって、自然素材の家はこの上ないパートナーとなってくれます。
建築コストはやや上がりますが、通常の建売住宅では味わうことができない質感と空気感を楽しめるため、こだわりや理想を実現した家が欲しい人にも向いています。
化学物質を使用していないため、小さな子供から高齢者まで健康的な生活が送れるでしょう。
向いていない人
できる限り低コストでメンテナンスの手間がかからない家が欲しい人は、自然素材の家は向いていません。
自然素材の家は、一般的な住宅よりも建築費用が割高です。建築費用を重視したい人は合理的な低コスト住宅を選んだ方が良いでしょう。
自然素材の家はメンテナンスの手間がかかるため、家の手入れに時間をかけていられない人にも向いていません。
その他、独創性のあるデザインや機能性を重視する場合は、自然素材以外の選択肢を検討した方が満足度が高くなります。
まとめ
自然素材の家は建材や壁材など、多くの部品が自然素材で構成されています。近代的なハイテク住宅ほどの高機能ではありませんが、自然由来のナチュラルな調湿機能を備えており、自然と健康を重視する方にとってはかけがえのないパートナーのような存在でい続けてくれるでしょう。
一方で、一般的な住宅に比べて建築費用がやや高い点と、こまめなメンテナンスが必要な点は気になるポイントです。家のメンテナンスに十分な時間が割けない方は、改めて検討しなおした方が良いでしょう。理想と現実のバランスをよく考えて、理想の家を手に入れましょう。
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